『二宮翁夜話』第1巻 第1章
翁曰はく夫れ誠の道は…
原文
 く、は、り、え、く、く、く、ず。る。 み、ひ、ね、く。り。[1]し。く、く、ず、ば、り。
 ず。す。
 り。く、に、り。[2]て、り。し、[3]り。
 界、す。垂針す。そ、れ。 や。 法、 き、 り。そ、く、れ。ば、も、 ん。
 り。ず。れ、[4]文、戒、え、き、り、り。」
[1]
曽洞宗の開祖、道元(1200 - 1253)の詠んだ歌。
[2]
「掛」の字は原文まま。「斯かる」の意。
[3]
「之を誠にする」とは、『中庸章句』第二十章の「誠者天之道也誠之者人之道也」、第二十五章の「君子誠之為貴」を踏まえた表現。
[4]
「天言はず。而して四時行はれ、百物成る処」とは、『論語』陽貨篇の「天何言哉四時行焉百物生焉」を踏まえた表現。『孟子』萬章上篇にも「天不言」とある。
『二宮尊徳全集』第36巻を底本とした。ただし、次の方針に基づき、本サイトの管理人が独自に修訂を施してある。◆漢文以外は、すべて横書きに改めた。◆旧字体は、新字体に改めた。◆仮名遣いは原則として旧仮名遣いのままとしたが、現代的な文語文法に基づき、適宜修正した。(例:飢へ→飢ゑ、全ふ→全う)◆送り仮名、句読点、括弧、改行は、現代的な感覚に即して大幅に改めた。(例:譬ば→譬へば、曰……→曰はく、「……。」) ◆振り仮名は、推測に基づき、適宜施した。◆助動詞および助詞は、仮名に開いた。(例:也→なり、如し→ごとし)◆「ゝ」や「〱」は原則として元の仮名に戻し、「〻」は削った。◆漢文には適宜訓点を補った。