『二宮翁夜話』第1巻 第15章
翁曰はく万巻の書物ありといへども…
原文
翁曰はく、「万巻の書物ありといへども、無学の者に詮なし。隣家に金貸しありといへども、我に借る力なきを如何せん。向かひに米屋ありといへども、銭なければ買ふ事はならぬなり。されば書物を読まんと思はば、いろはより習ひ初むべし。家を興さんと思はば、小より積み初むべし。此の外に術はあらざるなり。」
『二宮尊徳全集』第36巻を底本とした。ただし、次の方針に基づき、本サイトの管理人が独自に修訂を施してある。◆漢文以外は、すべて横書きに改めた。◆旧字体は、新字体に改めた。◆仮名遣いは原則として旧仮名遣いのままとしたが、現代的な文語文法に基づき、適宜修正した。(例:飢へ→飢ゑ、全ふ→全う)◆送り仮名、句読点、括弧、改行は、現代的な感覚に即して大幅に改めた。(例:譬ば→譬へば、曰……→曰はく、「……。」) ◆振り仮名は、推測に基づき、適宜施した。◆助動詞および助詞は、仮名に開いた。(例:也→なり、如し→ごとし)◆「ゝ」や「〱」は原則として元の仮名に戻し、「〻」は削った。◆漢文には適宜訓点を補った。
前のページ
次のページ