『二宮翁夜話』第1巻 第19章
翁曰はく松明尽きて…
原文
翁曰はく、「松明尽きて手に火の近付く時は、速やかに捨つべし。火事あり、危なき時は、荷物は捨てて逃げ出づべし。大風にて船くつがへらんとせば、上荷を刎ぬべし。甚しき時は、帆柱をも伐るべし。此の理を知らざるを至愚といふ。」
『二宮尊徳全集』第36巻を底本とした。ただし、次の方針に基づき、本サイトの管理人が独自に修訂を施してある。◆漢文以外は、すべて横書きに改めた。◆旧字体は、新字体に改めた。◆仮名遣いは原則として旧仮名遣いのままとしたが、現代的な文語文法に基づき、適宜修正した。(例:飢へ→飢ゑ、全ふ→全う)◆送り仮名、句読点、括弧、改行は、現代的な感覚に即して大幅に改めた。(例:譬ば→譬へば、曰……→曰はく、「……。」) ◆振り仮名は、推測に基づき、適宜施した。◆助動詞および助詞は、仮名に開いた。(例:也→なり、如し→ごとし)◆「ゝ」や「〱」は原則として元の仮名に戻し、「〻」は削った。◆漢文には適宜訓点を補った。
前のページ
次のページ