『二宮翁夜話』第1巻 第22章
翁曰はく山芋掘りは…
原文
翁曰はく、「山芋掘りは、山芋の蔓を見て芋の善悪を知り、鰻つりは、泥土の様子を見て鰻の居る居らざるを知り、良農は草の色を見て土の肥瘠を知る。みな同じ。所謂『至誠、神のごとし[1]』と云ふ物にして、永年、刻苦経験して発明するものなり。技芸に此の事多し。侮るべからず。」
[1]
『中庸章句』第二十四章の「至誠如神」を踏まえた言葉。
『二宮尊徳全集』第36巻を底本とした。ただし、次の方針に基づき、本サイトの管理人が独自に修訂を施してある。◆漢文以外は、すべて横書きに改めた。◆旧字体は、新字体に改めた。◆仮名遣いは原則として旧仮名遣いのままとしたが、現代的な文語文法に基づき、適宜修正した。(例:飢へ→飢ゑ、全ふ→全う)◆送り仮名、句読点、括弧、改行は、現代的な感覚に即して大幅に改めた。(例:譬ば→譬へば、曰……→曰はく、「……。」) ◆振り仮名は、推測に基づき、適宜施した。◆助動詞および助詞は、仮名に開いた。(例:也→なり、如し→ごとし)◆「ゝ」や「〱」は原則として元の仮名に戻し、「〻」は削った。◆漢文には適宜訓点を補った。
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