『二宮翁夜話』第1巻 第26章
翁曰はく善悪の論甚だむづかし…
原文
 く、論、し。ば、し。し。に、物、り。元、[1]て、り。に、し。り。し、も、猪、鹿は、し、し。法、も、は、し、ん。ば、如何物、ぞ。如何物、ぞ。理、し。
 り。も、じ。り、し、し、は、り。と。歌、は、ず。り。も、り。も、り。に、山、し。海、[2]し。り。は、処、り。し。ば、し。ば、し。
 福、凶、非、失、じ。り。り。也。ば、り。ふ、り。人、ば、ず。じ。じ。
 り。に、貌、人、る。人、如何ふ。人、く、り。所、祥、徳、り。人、る。く、婦、り。る。と。人、す。る。貌、し。如何ふ。女、く、り。処、祥、る、と。人、き、り、ば、く、り。ず。ば、よ。ば、ふ。人、ば、人、り。滅、り。
 論、福、凶、益、失、じ。元、り。り。事、じ。り、ひ、り。し。」
[1]
「私」は「主観」の意。
[2]
「遠山、木なし。遠海、波なし」とは、王維『画学秘訣』(『山水論』とも)または荊浩『画山水賦』に見える「遠人無目、遠樹無枝、遠山無石、隠々如眉、遠水無波、高与雲斉」を踏まえた言葉。
『二宮尊徳全集』第36巻を底本とした。ただし、次の方針に基づき、本サイトの管理人が独自に修訂を施してある。◆漢文以外は、すべて横書きに改めた。◆旧字体は、新字体に改めた。◆仮名遣いは原則として旧仮名遣いのままとしたが、現代的な文語文法に基づき、適宜修正した。(例:飢へ→飢ゑ、全ふ→全う)◆送り仮名、句読点、括弧、改行は、現代的な感覚に即して大幅に改めた。(例:譬ば→譬へば、曰……→曰はく、「……。」) ◆振り仮名は、推測に基づき、適宜施した。◆助動詞および助詞は、仮名に開いた。(例:也→なり、如し→ごとし)◆「ゝ」や「〱」は原則として元の仮名に戻し、「〻」は削った。◆漢文には適宜訓点を補った。